黒海に面するトラブゾンは、海はもちろん、山も近く緑豊かな町。
グルメの町としても知られ、特に冬に出回るハムスィ(カタクチイワシ)が有名です。
ビザンツ帝国からの亡命政権トレビゾンド帝国が築かれた場所でもあり、現在もビザンツ様式の建築物が多く見られますよ。
トルコには多くの民族がいますが、ここトラブゾンはラズ人が住む地域。街並みも食べ物も人も、定番観光地であるトルコ西部とは異なる雰囲気を味わえます。
今回はそんなトラブゾン市内と近郊のおすすめ観光スポットを紹介します。
トラブゾンの場所
トルコ北東部の中心都市
トラブゾンはトルコ東北部の中心都市。
隣国ジョージアへ行く際の拠点となる都市でもあります。
黒海に沿って街が築かれていますが、南へ少し進めば森林地帯。
トルコの西側とは雰囲気がガラッと変わり、緑が茂る場所です。
一年を通して多雨多湿で、夏でも30 度を越えることはあまりなく、過ごしやすい気候です。
トラブゾンへの歴史
スュレイマン1世生誕の地
ギリシア人によって作られた都市で、アレキサンダーが訪れたとも言われています。
シルクロードの重要な交易地点として栄えました。
トラブゾンは、ビザンツ帝国からの亡命国家であるトレビゾンド帝国が建国された場所でもあります。
1461年には、オスマン帝国によって征服されました。オスマン帝国最盛期の皇帝スュレイマン1世はトラブゾンで生まれています。
スュレイマン1世は15歳までトラブゾンで過ごしました。
第一次世界大戦時には、カフカース戦線の戦場になり、一時ロシアに占領された歴史もあります。
トラブゾンへの行き方
イスタンブールから飛行機で1時間半強
イスタンブールから飛行機で1時間40分ほど。
イスタンブール空港とサビハギョクチェン空港のどちらからもフライトがあります。
カッパドキアからはバスも利用できますが、10時間以上かかります。
トラブゾン空港から市内中心部までは6kmほど。
移動手段は、ドルムシュ(乗り合いバス)、もしくはタクシーです。
MEYDAN(メイダン)と書かれたバスに乗れば、中心部のメイダン公園まで行けますよ。
トラブゾンのおすすめ観光スポット
ボズテぺ
トラブゾンが一望できる絶景スポット
ボズテペは、トラブゾンの街並みや黒海を一望できる絶景スポット。
テペとは、トルコ語で丘という意味。
中心地のメイダン公園から南へ1.5kmほど登った丘の上にあります。
ボズテペの公園内にはオープンカフェがあります。
トラブゾンの景色を眺めながらののんびりティータイムが楽しめる絶好のスポット。
アヤソフィア・ジャーミィ
フレスコ画が美しいモスク
イスタンブールのアヤソフィアは有名ですが、トラブゾンにもアヤソフィアがあります。
5世紀に教会として建てられ、オスマン帝国以降はモスクに改修されました。
近代以降は博物館として開放されていましたが、2013年再びモスクに改修されました。
黒海沿いにあり、海を望む美しいモスク。
ビザンツ様式のフレスコ画が特徴的です。
聖母マリアや最後の晩餐など有名なキリスト教史が見られますよ。
アタテゥルク・キョシュク博物館
アタテュルクが滞在した邸宅
元々はオスマン帝国末期に造られた私邸。
1924年、アタテュルクはトラブゾンを訪問した際にこの邸宅に宿泊し、とても気に入ったそうです。
その後、トラブゾン市はこの邸宅を購入し、アタテュルクに進呈しました。
アタテュルクの死後、アタテュルク・キョシュク博物館として開放されています。
アタテュルクの写真の他、家具や調度品などが展示されています。
トラブゾン近郊のおすすめ観光スポット
スュメラ修道院
断崖絶壁にある修道院
断崖に沿って造られたギリシア正教会の修道院で、トラブゾン観光の目玉となるスポット。
トラブゾンから50kmほど離れた森林地帯で、くねくね道を上がった場所にあります。
4世紀頃建設されましたが、現在の建物は14世紀に再建されたもの。
6階建てで、72室あります。
洞窟の天井や内壁、外壁に残された鮮やかなフレスコ画が見られます。
教会だけではなく、図書館や学校、炊事場など当時の生活感のある場所も残っていますよ。
ウズンギョル
牧歌的な避暑地
ハルディゼン渓谷の谷間にある湖で、トルコの避暑地として知られています。
昔ながらの家屋が残っていて、のどかな風景が特徴。
以前は湖の周りに石橋があるだけでしたが、現在はホテルやお土産屋などが建ち、夏場は観光客で賑わっています。
湖周辺は遊歩道になっているので、のんびり散歩できますよ。
トレッキングやボートなどアクティビティも楽しめます。
まとめ
マイナスイオンたっぷりで落ち着いた雰囲気
トラブゾンは、観光も食事も楽しめる場所。
トルコ旅行中級者の方、のんびり観光したい方にはおすすめです。
夏は避暑地として最適な場所ですが、冬は寒いので寒さ対策は万全に。
トルコからジョージアへ行く通り道でもありますので、ジョージアとセットで旅行するのもいいですね。