イスタンブールで必ず見ておきたい「トプカプ宮殿」の歴史や見どころを紹介

トプカプ宮殿はイスタンブールの旧市街にあり、世界遺産「イスタンブール歴史地区」にも登録されています。
トルコはいつくもの帝国が興亡した国ですが、中でも長きに渡って栄えたのがオスマン帝国。
その中心地であったトプカプ宮殿は約380年もの間、オスマン帝国歴代スルタン(皇帝)の住居として、また政治や文化の要所として栄えました。
そんなトプカプ宮殿はイスタンブール観光で必ず行っておきたいスポットです。
今回はトプカプ宮殿の歴史や見どころなどを紹介します。

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トプカプ宮殿とは

東京ドーム約15個分の広さ

トプカプ宮殿はマルマラ海・金閣湾・ボスポラス海峡と三方を海に囲まれた丘の上に建ちます。
皇帝の庭だった丘の先からはヨーロッパ大陸とアジア大陸を望み、その見晴らしの良さはイスタンブール随一です。
当時の広さは約70万平方メートル(東京ドーム約15個分)。
最盛期には4000人近くの皇族、貴族などが住んでいたといいます。

イスタンブール陥落後、2番目の宮殿として建設される

トプカプ宮殿はオスマン帝国第7代皇帝のメフメット2世の治世に建てられました。
メフメット2世は1453年にイスタンブールを陥落した後、最初の宮殿をベヤズット(現イスタンブール大学のあたり)に構えました。

その後、1460年から1478年にかけ、2番目の宮殿となる「トプカプ宮殿」を建設。
最初の宮殿を旧宮殿と呼び、トプカプ宮殿はオスマン語で「新しい宮殿」を意味する「Saray-ı Cedid」と呼ばれていました。
トプカプ宮殿の名前は、マフムド1世(在位1730–1754)によって建てられた「トプカプス海岸宮殿」が焼失し、その名を受け継いだことに由来しています。

約380年間宮殿として機能する

ハレムは当初、旧宮殿に残ったままでした。
トプカプ宮殿に移ったのはスュレイマン大帝(在位1520 -1566年)時代。
スュレイマンといえば、彼が寵愛した人物として名高いヒュッレム・スルタンが有名ですね。

1856年、オスマン帝国の晩年にドルマバフチェ宮殿に移転するまでの約380年にわたって、王宮としての機能を果たしました。
1924年トルコ共和国建国後、トプカプ宮殿は博物館として公開されます。

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トプカプ宮殿の全体像

第1~4庭園まで

トプカプ宮殿は、第1庭園、第2庭園、第3庭園、第4庭園の4つエリアに分かれています。
トプカプ宮殿には中心的な建物はなく、それぞれの庭を囲むように小規模な建物が独立して立っています。
入口の皇帝の門をくぐった先が無料エリアの第一中庭です。ビザンツ時代の教会アヤ・イリニもあります(別途入場料要)。

第2庭園に入る手前にチケット売り場があり、そこから送迎の門をくぐると第2庭園へ。
ここには、厨房や最大の見どころハレムなどがあります。

第3庭園には謁見の間や宝物館が、第4庭園(皇帝の庭園)にはバーダット・キョシュクや見晴らしの良いテラスなどがあります。

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トプカプ宮殿の見どころ

ハレム

ハレムとは後宮のことで、日本でいう大奥のような場所。
アラビア語で聖域や禁じられた場所という意味のハリームからその名が付けられています。
スルタンと宦官以外の男性は一切立ち入り禁止のエリアでした。
多いときには1000人以上の女性がハレムで暮らしていました。
皇帝の広間やムラド三世の部屋、ヴァリデ・スルタンの部屋など、きらびやかで見どころが多いエリアです。
なお、ハレムには別途入場料がかかるので注意しましょう。

謁見の間

幸福の門のすぐそばで、ハレムの出口を出た場所にあります。
高官、外国からの賓客などが集まる場で、この広間でスルタンに謁見していました。
現在は、当時使われていた絨毯などが展示されています。

宝物館

煌びやかな宝石や衣装などが並ぶ宝物館は、オスマン帝国の栄華が一目でわかるエリア。
数々のコレクションがありますが、特にスプーン屋のダイヤモンドとトプカプの短剣が有名です。
スプーン屋のダイヤモンドは86カラットもの大きさ。
ダイヤを拾った漁師が3本のスプーンと交換したという逸話からその名が付いています。

トプカプの短剣には3つ大きなエメラルドがついていて、さやの部分にはダイヤモンドがちりばめられています。

バーダット・キョシュク

1638年ムラド4世がバグダット遠征に行く前に建築がはじまり、バグダット奪還の記念建築となった建物。
イズニックタイルやドームの装飾が美しく豪華です。
テラスから金閣湾や新市街を一望できますよ。

トプカプ宮殿が舞台のドラマ・漫画

『オスマン帝国外伝』

トプカプ宮殿が舞台の歴史ドラマ『オスマン帝国外伝』は、世界80か国でヒットしたトルコドラマです。
日本では2017年~2020年にかけ放送。
オスマン帝国の最盛期、スュレイマン大帝とヒュッレム妃の話で、ハレムを舞台に女性たちの激しい権力闘争が繰り広げられます。
SNSでは、トプカプ宮殿でこのドラマの回想されている投稿を少なからず見かけますね。

『夢の雫、黄金の鳥籠』

スュレイマン大帝とヒュッレムを中心とした、ハレムが題材の漫画です。
作者の篠原千絵さんはトルコのヒッタイトが舞台の『天は赤い河のほとり』でも有名な方。
『オスマン帝国外伝』と同時代の作品ですが、解釈が異なり、ドラマとはまた違った内容で楽しめます。

トプカプ宮殿の基本情報

トラムヴァイのギュルハーネ駅から近い

名称:トプカプ宮殿(Topkapı Sarayı)
開館時間:9:00~18:00(火曜定休)
入場料:650 TL(アヤ・イリニ教会とハレムを含む。2023年4月時点)
※ミュージアムパスも使えます。
場所:トラムヴァイのギュルハーネ(Gülhane)駅より徒歩3分。
アヤソフィアやスルタンアフメット・ジャーミイからも徒歩圏内です。

まとめ

トプカプ宮殿の桁違いのスケールに、オスマン帝国の強大さが実感できるでしょう。
宮殿内は広いのでたっぷり時間を取っておくことをおすすめします。

なお、写真やフラッシュがNGなエリアがありますので注意しましょう。
日本語の音声ガイドもあるので、個人旅行の方はチケット売り場でチェックしてみてくださいね。

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