トルコのモスクと言えば、ブルーモスクやアヤソフィアが有名ですが、スュレイマニエ・ジャーミイも注目したいモスクです。
オスマン帝国最盛期に造られたモスクで、設計は有名建築家スィナンによるもの。
オスマン建築の最高傑作の一つとしても挙げられています。
今回は、そんなスュレイマニエ・ジャーミイを徹底解説します。
目次
スュレイマニエ・ジャーミイとは
オスマン帝国最盛期に造られたモスク
スュレイマニエ・ジャーミイはオスマン帝国最盛期のスュレイマン1世の命によって、1550年から約7年かけ造られました。
このモスクは複合施設であり、周囲にはマドラサ(イスラーム神学校)や病院、隊商宿などもあります。
1985年には「イスタンブール歴史地域」の一つとして世界遺産に登録されました。
スュレイマニエ・ジャーミイがあるのはイスタンブール7つの丘の一つ。
高台にあるため、金閣湾やイスタンブール市街地を見渡せる絶景スポットでもありますよ。
イスタンブール市街地からも良く見え、数あるモスクの中でも存在感を放っています。
スュレイマニエ・ジャーミイの設計者
有名建築家スィナンが設計
設計は、トルコ史上一番有名な建築家ミマール・スィナンによるもの。
オスマン建築を語るうえで、スィナンの存在は欠かかせません。
スィナンは生涯約400に及ぶ建築物を手掛けたと言われています。
スィナンの代表作として、エディルネのセリミエ・ジャーミイやスュレイマニエ・ジャーミイが挙げられます。
スュレイマニエ・ジャーミイの見どころ
美しい装飾とステンドグラス
広い礼拝堂には238個もの窓があり、外からの自然な光が内部を明るくしています。
内装は一見シンプルに見えますが、イズニックタイルやステンドグラスは細かな装飾ではっとする美しさ。
ステンドグラス一枚一枚にアラビア文字や花模様が描かれているので、細部までみておきたい礼拝堂です。
直径26.5mの大ドーム
大ドームは直径26.5m、高さ53mもの大きさ。
大ドームを支える半ドームや10の小さなドームもあります。
花崗岩でできた大きな4本の柱は、モスク内部の美しいアーチを支えています。
その4本の柱はアレキサンドリアやバールベック(現レバノン東部)などそれぞれ異なる場所から運ばれました。
また、カリグラフィーは有名書家アフメット・カラヒサルが手掛けたものだったり、4つのミナレットはスュレイマンの第4代目君主を表していたりと、細かなところまでこだわりが感じられるモスクです。
イスタンブールを望む絶景
スュレイマニエ・ジャーミイの敷地は約6,000平方メートルもの広さ。
礼拝堂前の庭園も広く丁寧に手入れされていて、散歩にもおすすめですよ。
庭園からは金閣湾やイスタンブール市街地、さらにはボスポラス海峡を挟んでアジア大陸までの大パノラマが望めます。
さすがはかつての大皇帝が選んだ場所、納得の絶景ですよ。
スュレイマン大帝と妃ヒュッレムの霊廟
スュレイマン1世はオスマン帝国最盛期の皇帝。
法整備を行ったことから、立法帝(カヌーニ・スルタン)とも呼ばれています。
在位期間は約46年間と長く、13回もの対外遠征で領土を約2倍に広げました。
その妃ヒュッレムは、奴隷から王妃にのぼりつめ、魔性の女性としても名高い人物です。
日本でも放送された「オスマン帝国外伝」や漫画「夢の雫、黄金の鳥籠」の題材にもなっていますよね。
そんなスュレイマン1世と妃ヒュッレムの霊廟がモスクのすぐ隣(南東側)にあるので、あわせて見ておきたいスポットです。
ミマール・スィナンの霊廟
スュレイマニエ・ジャーミイを手掛けたスィナンの霊廟も敷地内にあります。
場所はモスクを出てミマール・スィナン通り沿い。
トルコでは誰もが知る有名な建築家ですが、驚くほどひっそりと建っています。
スュレイマニエ・ジャーミイへのアクセス
最寄りはヴェズネジレル駅
地下鉄:最寄りはヴェズネジレル(Vezneciler)駅。
新市街の中心地タクスィムから3駅のところにあります。
そこから徒歩でスュレイマニエ通りを通って約10分で着きます。
徒歩:エジプシャンバザールからは約1km弱で、徒歩で行くことも可能。
しかし、モスクは丘の上にあり坂道が続くため、身軽な格好がおすすめです。
まとめ
あまり混んでいない穴場スポット
スュレイマニエ・ジャーミイはブルーモスクやアヤソフィアほど混んでいないため、ゆっくり観光できる穴場スポットです。
礼拝堂の美しい装飾や迫力のあるドームから、オスマン帝国の栄華をひしひしと感じられますよ。
また、庭園からの金閣湾や市街地を見下ろす絶景も見逃せません。