ギリシャ・ローマ遺跡の中で最大級のエフェス遺跡は、2015年に登録された世界遺産です。
エフェスの全盛期は、紀元前7世紀から紀元後6世紀頃。
当初はアルテミス信仰が盛んなギリシア都市でしたが、その後、ローマ帝国の支配下となりました。
元々は海に面していましたが、土砂の体積によって、現在は海岸から少し離れた場所にあります。
イズミル市内からエフェス遺跡への行き方は、バスや電車でアクセスできます。
今回は、大規模な古代都市エフェス遺跡の見どころや所要時間、また周辺の観光スポットを紹介していきます。
エフェス遺跡の回り方と所要時間
南門からの入場がおすすめ
入り口は北門と南門の2つ。
遺跡内の通りは坂になっているため、南門から下り、北門に抜けることをおすすめします。
メイン通りはヘラクレス門からケルスス図書館にぶつかるクレテス通りと、ケルスス図書館から大劇場につながるマーブル通り。
エフェス遺跡の所要時間は1時間半ほどですが、エフェス遺跡周辺にもいくつか観光スポットがあります。
じっくり観光したい方には半日ほど時間があるといいですね。
住所:Acarlar, Efes Harabeleri, 35920 Selçuk/İzmir
時間:08:00-19:00(冬季~17:00)
料金:72TL ※丘の上の住宅は別途30TL(2019年8月時点)
エフェス遺跡の見どころ
大劇場
約2万人が収容できる大劇場
約2万人が収容できた大劇場。
当時、演劇や市民会議など市民が集まる重要な場所でした。
驚くべきは音響レベルの高さ。
オーケストラの音響効果は完璧で、さらにはステージ上の小さな声も最上席で聞き取れるほどだったようです。
誰もいないステージの中心で声を出すとよく響きます。ぜひ試してみて下さいね。
ケルスス図書館
古代三大図書館の一つ
エフェス遺跡の目玉スポットで、正門の装飾は息を呑む美しさ。
4つの彫像は、それぞれ英知、運命、学問、徳を表しています。
エジプトのアレクサンドリア図書館、ベルガマのペルガモン図書館と並び、古代三大図書館の一つとされています。
当時は約1万2000冊の書物が保管されていました。
パピルスを保管していたくぼみも残っています。
ハドリアヌス神殿
正面の繊細な装飾が特徴
その名の通りローマ皇帝のハドリアヌス帝に捧げられた神殿。
手前のアーチには女神ティケが、奥の門には両手を広げたメデューサが彫刻されています。
繊細な装飾に注目です。
トラヤヌスの泉
当時は高さは約12m
102年頃、トラヤヌス帝に捧げられた泉です。
三角の屋根が印象的。台座部分以外は、ほとんど原形を見ることができませんが、当時は12mの高さを誇る2階建ての建造物でした。
柱の狭間に置かれていた皇帝一家の彫刻の一部は、大英博物館やエフェス考古学博物館に展示されています。
ヴァリウスの浴場
床暖房式のローマ浴場
出典:ykeiko, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
エフェス最大の浴場だったヴァリウスの浴場。ローマ浴場ではよく見られる床暖房式でした。
浴場だけではなく、サウナや高温浴室、冷浴室など現代のスーパー銭湯のような施設が既に当時存在していたことに驚きですね。
娼館
足跡の広告に注目
ケルススの図書館前方に、中庭を囲むように建つ娼館。
2階建ての建物で、1階が客室2階が住居エリアでしたが、現在2階部分は残っていません。
マーブル通りの大理石に掘られた娼館を方向を指す足跡は、当時の広告だったようです。
公衆トイレ
古代の水洗式トイレ
当時の公衆トイレが、壁際にずらっと並んでいます。約50人同時に使え、仕切りもなかったとか。
大理石製の水洗式トイレで、下水道もしっかり整備されていました。
トイレに座って写真を撮る観光客の光景が風物詩になっていますよ。
ニケのレリーフ
「NIKE」の由来となった勝利の女神
勝利の女神ニケ。スポーツメーカー「NIKE」の由来としても知られています。
NIKEのマークはどことなくNIKEの翼と似ていますよね。
当時はヘラクレス門のアーチに飾れていたそうです。
エフェス遺跡周辺の観光スポット
エフェス考古学博物館
アルテミス像は必見
2014年にリニューアルオープンしたエフェス遺跡近くの博物館です。
エフェス遺跡からの出土品が2万5000点以上所蔵。そのうち1000点が展示されています。
わかりやすい復元図があり、当時の様子を想像しながら見学できますよ。
豊穣のシンボルアルテミス像は必見です。
住所:Acarlar, Efes Harabeleri, 35920 Selçuk/İzmir
時間:08:00-19:00(冬季~17:00)
料金:18TL(2019年8月時点)
アルテミス神殿
現在は柱が1本のみ
古代七不思議の一つ。豊穣の女神アルテミスを称える神殿として、紀元前11世紀頃から120年かけて建てられたと言われています。
127本の円柱がありましたが、現在はたった1本残るのみ。
聖母マリアの家
キリスト教徒の巡礼地
エフェス遺跡から7kmほど、ブルブル山を登ると聖母マリアの家があります。
聖母マリアが晩年過ごしたと言われる場所で、キリスト教の聖地として多くの人が巡礼に訪れています。
住所:Sultaniye, 35922 Selçuk/İzmir
時間:08:00-18:00(冬季~17:00)
料金:25TL(2019年8月時点)
シリンジェ村
かわいいお土産品が揃う
エフェスから車で約20分の場所にあるシリンジェ村。
昔はギリシア人が住んでいた村で、可愛らしい街並みが広がります。
フルーツワインの産地として有名ですよ。
本格的なというよりも、手軽に買えるワインが揃っています。
手作り雑貨やオーガニックソープなど、可愛らしいお土産品もたくさんありますよ。
まとめ
エフェス遺跡だけではなく周辺スポットもあわせて観光したい
古代都市に迷い込んだようなエフェス遺跡。
図書館の繊細な彫刻や、床暖のお風呂や下水などの発達した都市機能に驚かされます。
古代七不思議のアルテミス神殿やキリスト教徒の巡礼地聖母マリアの家も見逃せません。
エフェス遺跡とあわせてぜひ周辺の観光スポットも訪れてみてくださいね。