朝食は、トルコ人が一日の中で一番大切にしている食事です。
トルコの朝ごはんはメニューが豊富。
チーズ一つとっても、何種類もテーブルに並べます。
ときには、朝ごはんに友人や親戚を誘うことも。
「週末ランチしない?」と言うように、「週末朝ごはんしない?」というお誘いは、トルコではごく自然なやりとりです。
今回は、トルコの定番朝ごはんメニューについて紹介します。
目次
トルコの朝食とは?
おしゃべりしながらのんびり食べる
トルコで朝食は、「カフヴァルトゥ(kahvaltı)」と呼ばれています。
定番メニューは、パン、チーズ、オリーブ、トマトやキュウリ、ジャム、卵料理など。
チャイ(紅茶)を片手に朝食を食べます。
地域によってもメニューはさまざま。
トルコの東部ヴァンの朝食は、特に豊富な品数で有名です。
一品ずつ小皿に盛り、テーブルいっぱいに並べる「セルプメ・カフヴァルトゥ(Serpme Kahvaltı)」は、伝統的な朝食スタイル。
友人や家族とシェアしながら、ゆっくりと流れる時間を楽しみます。
トルコ人は、とにかくおしゃべり好き。
のんびり朝ごはんを食べながら、おしゃべりをする、これがトルコ式の朝食です。
トルコの朝食文化はいつはじまった?
オスマン帝国時代から
トルコの朝食文化の始まりは、トルココーヒーとつながりがあります。
オスマン帝国時代にトルココーヒーが流行。当時、食事は1日2回でした。
何も食べずにトルココーヒーを飲むのはお腹に負担がかかるため、コーヒーを飲む前に軽食を食べるようになります。
朝食を意味するカフヴァルトゥは、直訳すると「コーヒーの前」という意味。
コーヒーの前の軽食が進化し、朝食として定着しました。
トルコの定番朝食メニュー
パン
小麦の一大産地であるトルコは、実はパンの消費量世界一。
量だけではなく、パンの質もあなどれません。
バゲットをよく食べますが、日本のフランスパンと比べると柔らかく、中はふわふわ。
朝食では、ジャムにつけたり、卵料理に浸したりして食べます。
リング型のゴマパン「スィミット」も朝食の定番。外はかりっと、中はもっちり。
たっぷりかかった香ばしいゴマが特徴です。
その他、ユフカという薄い生地を重ねて揚げる「ボレキ」、お総菜パン「ポアチャ」なども朝食に並ぶメニューです。
乳製品
トルコの朝食にチーズは外せません。
トルコには、約150種類以上のチーズがあると言われています。
白チーズ、ヘリムチーズ、カシャールチーズなど朝食には何種類ものチーズが並びます。
バル・カイマックも人気の朝食メニュー。
バル=はちみつ。カイマック=牛乳から作るクリーム状のもの。
パンなどにつけて食べます。
その美味しさから、トルコ旅行中バル・カイマックにはまった日本人は多いはず。
オリーブ
トルコでは朝からオリーブを食べます。
トルコは世界TOP5に入るオリーブの生産国。
特にエーゲ海地方で多く作られています。
緑と黒のオリーブがあり、強めの塩味があります。
日本の梅干しのようなもので、トルコの食卓には欠かせません。
1個だけではなく、何個も食べるのがトルコ流。
ジャム
イチゴ、イチジク、アンズ、チェリーなど、一度の朝食で、何種類ものジャムを並べます。
ナスやトマト、バラのジャムなど日本にはない変わり種ジャムも。
野菜のジャムってイメージつきませんよね。
ナスのジャムと言っても、なす自体の味はほとんどなく、普通の甘いジャムなんです。
ジャムではありませんが、そのほかパンのお供として、ゴマペースト、ペクメズ(ブドウや桑の実などを煮詰めた濃縮シロップ)、アジュカ(トマト、唐がらし、クルミ、スパイスなどをペースト状にしたもの)などもあります。
トマトとキュウリ
朝食の野菜は、トマトとキュウリが定番。
トルコでは、生野菜やサラダにドレッシングは使いません。
塩やオリーブオイル、レモン汁などで食べるのがスタンダード。
ドレッシングなしで味気がないのでは、と思うかもしれませんが、トルコの野菜や果物は味が濃く、素材の味がしっかりしています。
卵料理
トルコの卵料理と言えば、メネメン。
メネメンは、ピーマンやトマトと一緒に卵を炒めた、半熟のスクランブルエッグのようなもの。
玉ねぎやチーズなどを入れることもあります。
塩と香辛料のシンプルな味付けです。パンとの相性は抜群ですよ。
その他、スジュク(トルコ版ソーセージ)と一緒に炒めた目玉焼きも、朝食の食卓によく並びます。
スジュク
トルコ版のソーセージ。サラミにもよく似ています。
スジュクに使うのは基本牛肉。
日本のソーセージは豚肉を使用していますが、トルコはイスラムの国。豚肉を食べません。
そのため、日本のソーセージとは、見た目も味も異なります。
スジュクは色が濃い目で、クミンなど様々なスパイスが入っているのが特徴。
目玉焼きと一緒に焼いて食べるのが定番です。
チャイ
トルコでは、チャイ文化が根付いています。特に朝食時のチャイは必須。
朝食が終わるまで、何杯でもチャイを飲みます。
チャイと言うと、インド風の甘いミルクティーを思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、トルコのチャイは紅茶を指します。
砂糖はお好みで入れますが、ミルクは入れません。
専用のやかんでチャイを沸かし、専用のグラスで飲みます。
チューリップ型のチャイグラスは、小ぶりで手に収まるサイズが特徴です。
まとめ
街中でもトルコ式の朝食が食べられる
トルコの朝食は、とにかく種類が豊富。
紹介したもの以外にまだまだメニューがありますよ。
テーブルいっぱいにお皿が並ぶと気分も上がりますよね。
街中には朝食の専門店もちらほら。
イスタンブールのベシクタシュには朝食専門店ストリートもあります。
午前中、思い切って予定を入れず、トルコ式の朝食でのんびり過ごすのはいかがでしょう。
ワンラク上の旅になること間違いなしです。