地下に広がる不思議な空間 イスタンブールの「地下宮殿」とは?

地下宮殿はビザンツ帝国時代につくられた地下貯水池です。
古代ギリシャ式の柱が並び、宮殿のように見えることから「地下宮殿」と呼ばれています。

本年2022年、地下宮殿は約5年もの修復工事を終えリニューアルオープンしました。
神秘的な雰囲気だった空間に、照明や展示が工夫されスタイリッシュさも加わっています。
地下宮殿はアヤソフィアのすぐそばにあり、アクセスしやすい場所なので、イスタンブール観光におすすめのスポットですよ。

この記事では、映画「インフェルノ」のクライマックスシーンにも登場した、地下宮殿の魅力をお伝えします。

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地下宮殿とは

ビザンツ最大の地下貯水池

地下宮殿はビザンツ帝国時代、ユスティニアヌス帝によってつくられました。
ビザンツ帝国の都コンスタンティノープル(現イスタンブール)では、黒海近くから水を引き、ヴァレンス水道橋を通して、複数の地下貯水池に送っていました。
その中でも地下宮殿は約10万トン貯水でき、ビザンツ時代の地下貯水池の中で一番の大きさを誇ります。
「イスタンブール歴史地域」の一部として、世界遺産に登録もされています。

別名バシリカ・シスタン

地下宮殿の場所には、もともとバシリカと呼ばれる公共広場がありました。
そのことから「バシリカ・シスタン」とも呼ばれています。
トルコ語では「地下貯水池(イェレバタン・サルヌジュ)」「地下宮殿(イェレバタン・サラユ)」の名で知られています。

2022年のリニューアル後は、照明が工夫されたり現代アートの展示があったりとスタイリッシュさも加わりました。
また、音と光の演出もあり、五感で楽しめるスポットになっています。

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地下宮殿の見どころ

336本もの柱

薄暗く湿った空間に、高さ9mにもおよぶの柱がずらりと並んでいます。その数なんと336本。
古代ギリシャのコリント式やドーリア式の柱は各地から寄せ集められたもので、それぞれ模様も形も異なります。
まさに宮殿にいるような光景が広がっています。

嘆きの柱(涙の柱)

柱の中でも特に有名なのが「嘆きの柱」です。
常に濡れているこの柱は、まるで泣いているように見えますよね。
嘆きの柱には、建設時に亡くなった多くの奴隷を偲ぶために造られた、という言い伝えがあります。

柱の穴に親指を入れその手を柱に沿って1回転できたら願いが叶う、との俗説もありますよ。
地下の中央あたりにあるので、ぜひ探してみてくださいね。

逆さになったメドゥーサ

最大の見どころはメドゥーサの石像です。
柱の土台となっている2体のメデューサは、顔が逆さになっていたり横になっていたりなんとも奇妙な光景なのです。
迫力ある大きさで怖さすら感じるかもしれません。

メデューサの石像が発見されたのは1985年頃で、その存在を世に知られたのは最近のこと。
メデューサの石像はどこから持ちら出されたのか、なぜ逆さなのかははっきりとわかっていません。

メドゥーサ:ギリシャ神話に登場する怪物。見たものを石に変える能力を持つ。

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地下宮殿の場所・アクセス

スルタンアフメット駅から約徒歩3分

トラムヴァイのスルタンアフメット駅から約徒歩3分とアクセスしやすい場所です。
入口はアヤソフィア向かい側の路面電車沿い。入口と出口の場所が異なり、さらには改修前と出入口が逆になっているため注意が必要です。
現代美術館のようなモダンな入口が目印ですよ。

地下宮殿(イェレバタン・サルヌジュ博物館/Yerebatan Sarnıcı Müzesi)
住所: Alemdar, Yerebatan Cd. 1/3, 34110 Fatih/İstanbul

地下宮殿の入場料・営業時間

チケットはオンラインでも購入可能

営業時間:毎日9:00~19:00
外国人観光客料金:190トルコリラ

支払いには、クレジットカードまたはトルコリラが使えます。
オンラインでもチケット購入が可能。
現地でチケット購入の場合、待たされる可能性がありますが、事前に購入しておけばすんなり入れますよ。

なお、トルコ文化観光省発行の各地で使用できるミュージアムカード(Müze Kartı)がありますが、地下宮殿は文化観光省の管轄ではないため使用できません。

まとめ

独特な空間を体験できる

アヤソフィアやブルーモスクのすぐそばにあり、アクセスしやすいスポットです。
多くの柱が並ぶ光景は神秘的で、独特の空間を楽しめますよ。
モスクや宮殿とは違った雰囲気を味わえるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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